【アレルギー・グルテンフリー】グルテンアレルギーで麦などの穀物は除去しなくて良いのか
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私のグルテンフリー生活が始まった理由はダイエットや健康維持の為というよりは、アレルギーが原因になります。子供から大人になるまでは全くアレルギーに縁がなかったのですが、小麦依存性運動誘発アレルギー(WDEIA)によりアナフラキシーショックを起こしたことが始まりです。アレルギー検査を行うと、小麦およびグルテン(ω5グリアジン)に高い反応がありました。また小麦自体にもアレルギー反応がありましたので、小麦を原材料に含むものを食べない生活が始まりました。
そこで大きく疑問に思ったことは類似した作物である大麦、蕎麦、ライ麦はグルテンを作るのかという疑問です。私は、大麦や蕎麦にはアレルギー反応が無かったのですが、グルテンアレルギーで「大麦」「ライ麦」「蕎麦」アレルギーで無い場合、摂取しても良いのかということを調べた結果をまとめておきたいと思います。ポイントは「グルテンが含まれるか」です。
1,グルテンって何なの?
まず食物アレルギーとは消費者庁によると、食物を摂取した際、身体が食物に含まれるタンパク質(以下:アレルギー物質)を異物として認識し、自分の身体を防御するために過敏な反応を起こすことです。
また、小麦のタンパク質は特定非営利活動法人近畿アグリハイテクによると大きく以下の4種類になります。これらが小麦アレルギーの原因となっている物質です。
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【小麦(Wheat)にふくまれるタンパク質】
(1)ロイコシン(アルブミン型)
(2)グロブリン(グロブリン型)
(3)グリアジン(プロラミン型) ※グルテンを形成する物質
(4)グルテニン(グルテリン型) ※グルテンを形成する物質
このうちグルテンを形成するタンパク質は、名前がややこしいですが、プロラミン型の「グリアジン」、グルテリン型の「グルテニン」です。グルテンアレルギーとは、このグリアジンの中に含まれるω5グリアジン、またはグルテニンのアレルギーのことを言います。
さて、次にグルテンについてですが、グルテンとはによるとグルテンは特定の穀物に存在するタンパク質の総称で、これらのタンパク質はあらゆる小麦(デュラム・セモリナ、スペルト、カムート、 ヒトツブ小麦、ファロ 等)やライムギ、大麦、ライコムギ等の同族の穀類に含まれているとのことです。
しかし、このグルテンの定義も団体によってまちまちの様で、株式会社化学同人の食べ物と健康などによると小麦以外の同族の穀類にグルテンは含まれていないと言っているところもあります。
この違うはどうも「小麦グルテンのタンパク質」と「小麦グルテン類似タンパク質」の違いをはっきりさせていないからの様です。
【小麦グルテン類似タンパク質】
小麦以外の穀類にも小麦グルテンと近い、例えば大麦にはプロラミン型のホルデインという物質が入っていますが、厳密には違う物質です。
日本では、調理や栄養などの世界では「パン」「麺類」「つなぎ」など粘りを出す物質「小麦グルテン」のことを調理の目的の為にグルテンと呼んでいる場合があります。しかし、医療の世界では「小麦グルテン」および、「小麦グルテン類似タンパク質」のことをセリアック病の為の除去物質を識別する目的の為に含めてグルテンと呼ぶ場合と、小麦グルテン(ω5グリアジン)アレルギーの除去物質の識別の為に「小麦グルテンのタンパク質」をグルテンと呼んでいる様です。
【セリアック病】
セリアック病とは「小麦グルテン」「小麦グルテン類似タンパク質」を摂取すると、絨毛状突起と呼ばれる、小腸で食物から栄養素を吸収するごく小さい毛髪のような突起が損傷する病気です。これはグルテンに対する自己免疫反応、つまりアレルギー反応の一種で、つまり小腸の機能低下をおこすもので、慢性的になれば栄養的・免疫的な問題が出てきます。
最後にまとめますと、グルテンとは小麦に含まれる「小麦グルテン」および麦などの類似穀物に含まれる「小麦類似グルテン」のことで、グルテンアレルギーとは医学的には「小麦グルテンアレルギー」のことを差し、「小麦クルテン」「小麦類似グルテン」両方を除去しなくてはならないセリアック病とは別ということになります。
2,グルテンフリー食品って何なの?
そもそも、グルテンフリー食品とは、食品市場では、セリアック病の患者の為に作られた製品です。
また、その定義はアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration; FDA)によると、グルテン含量が20ppmより少ない場合に「ノーグルテン(No Gluten」「グルテンを含まない(Gluten-free)」などの表示ができるとしています。20ppm以下とした理由は、それ以下の濃度では科学的に妥当性を検証された測定法が存在しないことと、ほとんどのセリアック病患者が微量のグルテンには耐えられることからの様です。
【FDA】
FDA defines “gluten-free” for food labeling
セリアック病の方は、上記食品や、グルテンを含まない食品をとることで、症状が改善して健康的な生活が送れるようになります。余談になりますが、そのことが健康志向の方の誤解を生み、グルテンフリーはダイエットに良い、健康維持の為に良いという認識を持つ方がいますが、医学的に証明されている事実ではありません。
3,当ブログでのグルテンフリーの定義
当ブログでも「小麦グルテン」「小麦類似グルテン」を区別なく書いております。「小麦」および「小麦グルテン」を除去する生活が目的です。
基本的に「小麦グルテン」および「小麦似グルテン」を避ける生活になりますが、醤油・アルコール(ビール)など小麦・麦類のタンパク質を発酵などにより分解して別の物質にした製品についての記事を書くことがあります。原材料や製造業者などの情報をあわせて掲載していますので、セリアック病の方、アレルギーの方など、目的にあわせ各自の判断で利用していただくようにお願いします。
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